子供の熱
体温調節機能が発達していない赤ちゃんは、病気でなくても室温・着せ方・運動などで熱を出す事があります。
まずは、発熱以外の全身状態をチェックしながら、どんな原因の熱かどうかを判断することです。
また、熱の高さだけでは症状の重さを判断するのは難しいです。
熱は低くても、重症な病気にかかっている場合もありますので、全身状態のチェックは重要です!
体温が高くてもあやせば笑う、よく飲み(食べる)機嫌がいいときはしばらく様子を見ましょう。
ただし、機嫌がよくても熱が3日も続く場合は受診した方がベストです。
どうして熱がでるの?
大人は気温の上昇や運動後には、汗をかくことで皮膚から熱を放射し、体温調節をしていますが、赤ちゃんは脳の体温調節が未熟な為に、厚着したり大声で泣いたりするだけでも体温が上がります。
また、風邪(上気道炎)の感染症にかかった時に熱が出るのは、体の防衛反応と考えられます。
ウイルスや細菌は37度くらいの温度で最も活躍するので、体の中に侵入したウイルス・細菌の活動を抑えようと、脳から指令がでて熱を出すからなんです。
発熱って何度?
発熱を的確に知るためには赤ちゃんの平熱を知っておくべきです。
平熱との差が1度未満で、全身状態が良好なときは、心配する必要はないのですが、平熱よりも1度以上高温になり、時間をおいて再検査しても熱が下がらないようならば発熱といえます。
ただし、予防接種の場合は、平熱の高さに関係なく37.5度以上の熱がある赤ちゃんは法律で接種ができないことになっています。
どうやって熱を測るの?
体温計には、水銀式・電子式・計測場所は腋下測定(えきか)耳内測定などが一般家庭向きに販売されています。
中でもデジタル表示の電子式腋下体温計が多く使われています。
平熱を測るときは、赤ちゃんが元気な日に、いつも同じ体温計、同じ時刻に測りましょう。
理由は、体温は1日の中でも変化するからです。
発熱時に測るときは、腋下の汗をふき取ってから計るようにします。
耳内体温計と腋下で測る体温計とでは、体温に差が出ます。
両方で測ることは全く無意味な事なので、必ずどちらかに決めておきましょう。
熱が出たらまずどうする?
・熱の出始めは寒気がするので、震えるときは布団をかけ体を温める。
・38度以上になって手足が温かいときは、温めず布団の代わりにバスタオル程度の薄いものにして熱がこもらないようにする。
・熱が高いときは体を冷やしてもよい。
・ほかの症状がないか観察する
・家で様子を見るときは静かに寝かせておく
・寝ない赤ちゃんは静かに遊んであげる
・体温や症状の変化はメモしておき、受診するときに持っていく
・水分はたっぷり与えること
・必要に応じて病院へ
こんな時お風呂はどうする?
一般的に発熱の時は入浴を避けますが、新陳代謝がいい赤ちゃんは皮膚からの分泌物も多く、体は汚れがちですので、温かいタオルで体をふくなどして清潔にしてあげるといいですよ!
ただし、寒くて震えているときは避けてくださいね!
熱薬を使う目安と使い方は?
一般的に解熱薬を使う目安は38.5度といわれていますが、大事なのは体温の数値よりも全身の状態です。
39度でも、元気がよく食欲があるのならば必要ないかと思います。
逆に38度くらいでもぐったりして食べない、飲まない、眠れないときは使ってもいいと思います。
解熱薬は、病気の根元を治療する薬ではありません。
高熱の為に体力を消耗する赤ちゃんの熱を一時的に下げ、その間に栄養を補ったり、睡眠をとらせて回復の手助けをしてあげるためのものです。
続けて使うときは、必ず医師の指示どおり時間間隔をとることです。
ちなみに、使いすぎると低体温になる危険性がありますので、気をつけて下さい。
上手な水分補給
発熱や下痢・嘔吐を繰り返すときの水分補給は、一度にたくさんの量を与えようとせずに、少しずつ何回にも分けて与えるのがベストです。
水分はベビー用イオン飲料・白湯・麦茶などが適しています。
とくに下痢や嘔吐などで急激に体液に含まれているナトリウムイオンやカリウムイオンも同時に失われますので、それを補うために効果的なのがベビーイオン飲料です。
ただし、栄養補給にはなりません。