なぜ睡眠は必要か?
子供にとっても大人にとっても、もちろん動物にとっても睡眠は大げさに言ってしまうと生きていくうえでの大切な時間。
楽しく健康的な生活をするためには睡眠が不可欠です。
睡眠は寝ついてから起きるまで同じリズムで眠っているのではなく、浅い眠りと深い眠りを繰り返しています。
浅い眠りは体は眠っていますが頭は起きている状態で、眠っているには違いはないんですけど脳は活動しています。
その浅い眠りのことを「レム睡眠」と呼びます。
浅い眠りに対して深い眠りでは脳も眠っています。
浅い眠りが「レム睡眠」に対し深い眠りは「ノンレム睡眠」、または「脳の睡眠」と呼ばれています。
ノンレム睡眠時は血圧は低下し呼吸も安定していますので、いわゆるぐっすりと眠っている状態です。
レム睡眠中に目覚めてしまうと、脳はレム睡眠中に考えていたこと等を覚えていることがあります。
これが「夢」です。
一方ノンレム睡眠中に目覚めてしまうと、脳は叩き起こされた状態になるので不機嫌な状態で目が覚めることになります。
寝つくとまずノンレム睡眠、次にレム睡眠がやってきます。
寝ついてから1回目のノンレム睡眠とレム睡眠が終わるまで、90分の周期を4〜6回繰り返されて、眠りのリズムになります。
ただし、眠りのリズムには個人差があります。
レム睡眠は体を休めるためのもので、ノンレム睡眠は体を回復させるとともに脳も回復させます。
じゃあレム睡眠は必要ないんじゃない?と思うかもしれませんが、ノンレム睡眠と起きている状態の間にはギャップがあります。
熟睡している状態のノンレム睡眠と、起きている状態とを滑らかにつなぐにはレム睡眠は必要なんです。
レム睡眠は目覚めるための睡眠ともいえます。
ですから、レム睡眠から目覚めると気持ちよく目覚めることができるのはこのためです。
ノンレム睡眠はこの状態で無理に目覚めさせられたら、不機嫌だったり眠ったのに疲れているような気分になるので、ノンレム睡眠から、私たちの体や脳が覚醒するのに時間を要するってことです。
生後間もない赤ちゃんは1日16〜17時間眠っていますが、3〜5歳くらいになると、成人の睡眠パターンに近くなります。
これは、脳を使うことが多くなるにつれて、脳の眠り(ノンレム睡眠)が必要になると考えられています。
また、60歳過ぎますと乳幼児の睡眠の形に似てきて、睡眠時間が短くなり、昼寝をする回数が増えたり、朝早く目覚めたりして睡眠への満足感がなくなってきます。
寝る子は育つ
昔の人は「寝る子は育つ」と言いましたが、子供の行動と睡眠には密接な働きがあります。
子供の成長期には寝るように体のしくみができているんです。
成長ホルモンは子供の脳や骨や筋肉の成長を促す重要なホルモンです。
ノンレム睡眠状態では大量の成長ホルモンが分泌されます。
これらがもっとも分泌されるのは夜10時〜午前2時ころです。
また、起床から約14時間後には眠気を促すホルモンが分泌されはじめ、寝入る頃には最高値に達します。
この睡眠と成長ホルモンのバランスを崩してしまっては、てんかん症状のある子供は夜と昼が逆転してしまうこともあります。
成長ホルモンは子供の情緒安定させるうえでも大切で、大人は子供に熟睡できる環境をつくってあげることが必要です。
最近では子供が大人と一緒に夜遅くまで起きていたり、夜遅くまで外にいたりと子供の健康上よくないと思います。
子供に限らず大人にもいえます。
睡眠が足りないと肌にハリがなかったり、化粧ノリが悪かったりと肌のためにも睡眠時間はしっかりとるべきです。
最近では睡眠障害・睡眠不足による健康被害が報告されているようです。
これは高齢者や子供ほど被害を受けやすいといわれています。
眠る時間を惜しんで勉強しても実際には身に付かず、かえって睡眠不足による問題が起こりえてしまいます。
・集中力の低下
・記憶・学習能力の低下
・感情コントロール機能の低下
・意欲の低下
・創造性の低下
・運動能力の低下
・免疫力の低下
子供の寝相は元気な証
寝返りや体動は睡眠をスムーズに移行させる上で重要な役割を持っています。
身体や脳機能の発達が充分である証でもあるんです。
「よく眠る」ためにも「よく遊べ、よく学べ」といいます。
学校へ通うようになると昼寝をしなくなる生活スタイルに変化します。
昼間起きて活発に過ごせば身体が睡眠を必要として、寝る時間になると自分から布団に入るようになります。
休日なども昼寝はさせずに夜たっぷり睡眠をとらせることが大切です。
体と違い脳は、起きている間ずっと働き続けています。
睡眠は脳の休息のために欠かせないんです。
心地よい睡眠は環境づくりから
心地よい睡眠を取るには、以下のような点に気をつけて、日常生活を送りましょう。
・ほどよい運動
・バランスのよい食生活
・朝に太陽の光を浴びる
・休日に寝すぎない
・入眠前に熱いお風呂は避ける
・入眠前に多量のお茶やアルコールは避ける
・眠れないときは無理に寝ない
・入眠儀式をみつける
・寝室環境を整える
・自分にあった寝具を選ぶ
入眠儀式ですが、体温が下がっていくときに眠気が高まるので、ぬるめのお湯にゆっくりつかって身体の中まで温めます。
逆に朝すっきり目覚めたいときは熱めのシャワーを短時間浴びるといいといわれています。
他に軽くストレッチをしたり、香りを楽しむのもいいと思います。
香りを感じる嗅覚は五感の中で最も原始的な五感なので、自分のお好みの香りでリラックスできたりします。
あとはお手軽で効果的なツボを押すというのもあります。
自分にあった寝具ですが特に枕は個人差がありますので、入眠感を大きく左右します。
大人に限らず子供にもちゃんとあった枕があります。
みなさんは自分にあった枕を使ってますか?
心地よい睡眠には自分にあった枕を使うことです。
我が家では、健やかな発育の為、自立の第一歩の為に、子供にもちゃんと子供にあった枕を使用してます。
ご自身もそうですが、お子様の枕もちゃんとあってるのか確認してみるいい機会だと思います。
それと、子供に枕を与えることは「自立の第一歩」。
しつけのチャンスです。
子供に自分の枕、自分の寝る場所を持つことは、子供の精神面での成長を促します。
それがお気に入りの枕ならなおさらのこです。
お布団に入ることを楽しくさせて、眠る行為をきちんとしつけたいものですよね。
また、そうさせる為にもしっかりと子供に合った枕を選んであげるのも私たち親の役割だと思います。
枕は基本的に素材ではなく、高さが一番の原因です。
高さがあっていないと肩こり、首の痛みが発生します。
枕選びの基本として、立った状態で3〜4m先の床を見ている姿勢が、そのまま横になっているのが一番理想です。
つまり顔の角度が5度くらいなるように、敷き布団と首の間にできた隙間を無理なく埋めてあげるのが、理想の寝姿勢です。
高い枕を使用していると気道が圧迫され、いびきが出る原因になったりします。
逆に枕が低いと心臓より頭が下がり血の血流が悪くなり、朝起きたら顔が浮腫んだりします。
人それぞれ身体のバランスや寝姿勢は異なりますが、自分にあった高さと自分の好みの素材の枕を選ぶことが一番望ましいと思います。
睡眠の問題を抱えてる人が増えています
ひとり一人の睡眠への関心も高まりつつある中で道具として枕が注目されています。
「使えればよい」から「自分にとって使い心地のよいもの」
「使ってみて気持ちの良いもの」と枕を求める傾向になってきています。
枕は身体特性や生活環境、感性が大きく影響するため、「誰にでも合う枕」は存在しません。
私たちにとって睡眠は1日の1/3を費やし、心身を癒し明日への活力を生む重要な機能です。
ですから、より多くの人に睡眠の基礎知識、枕の役割を理解して快適な睡眠をし、活力のある毎日を得ていただけたらと思います。